タンパク質の1日の摂取量は?筋トレ・ダイエット・男女別の目安と計算
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普段運動している人の1日のタンパク質摂取量は1.6g前後が基本です。そこから、筋肉をつけたい増量中や、体脂肪を落としたい減量中など、目的に合わせて増減させます。
ただし、目安より多く摂っても筋肉が増え続けるわけではありません。目的によって量が変わる理由や、女性や高齢の人の場合など、数字だけでは分からないこともあります。ここでは、目的別の目安と計算方法、目安が違う理由、摂りすぎの考え方を順に説明します。
1日のタンパク質摂取量の目安
目的ごとの、体重1kgあたりの目安です。
| 目的 | 体重1kgあたりの目安 |
|---|---|
| 運動をしていない | 約1g |
| 筋トレをして、筋肉の量を維持したい | 1.4〜1.8g |
| 筋肉をつけたい(増量中) | 1.8〜2.2g |
| ダイエット・減量中 | 2.0〜2.6g |
1日の量は「体重(kg)×目安(g)」で計算します。たとえば体重65kgの人が筋肉をつけたい場合、65×1.8〜2.2で、1日117〜143gです。
体重と目的を入力するだけで計算したいときは、タンパク質摂取量計算を使ってください。係数は、減量2.3g・維持1.6g・増量2.0gで、それぞれの目安の範囲の中央の値です。キロレコでは、記録した体重と設定した目的から、1日のタンパク質の目安を表示します。脂質や炭水化物もあわせて決めたいときは、PFCバランス計算でまとめて算出できます。
目的によって目安が違う理由
運動をしていない人: 体重1kgあたり約1g
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜64歳のタンパク質の推奨量は、男性で1日65g、女性で1日50gです。体重1kgあたりにするとおよそ1gで、「タンパク質は体重1kgあたり1g」と言われるのはこの量です。運動をしていない人も含めた、体の状態を保つための基準です。
筋トレをしている人は、筋肉の修復や成長に使う分があるので、これより多めに摂ります。
筋肉の量を維持したい: 1.4〜1.8g
国際スポーツ栄養学会(ISSN)の見解(2017年)では、運動している人の多くは、筋肉をつける・保つのに体重1kgあたり1日1.4〜2.0gで十分としています。国際オリンピック委員会(IOC)のスポーツ栄養の会議に向けてまとめられた論文(2011年)も、1.3〜1.8gで筋肉を合成する働きが最大になるとしています。筋トレを続けながら、今の筋肉の量を保ちたいときは、1.4〜1.8gが目安です。
筋肉をつけたい(増量中): 1.8〜2.2g
筋トレをしている人を対象にした研究をまとめた分析(Morton ら、2018年)では、タンパク質を増やしたときの筋肉の増え方は、平均すると体重1kgあたり約1.6gでほぼ頭打ちになりました。ただし、必要な量には個人差があり、人によっては2.2gくらいまで増やす意味がある可能性も示されています。IOCの専門家による合意声明(2018年)も、1.6gを最適とし、2.2gまでは悪影響がないとしています。
平均の1.6gでは足りない人も含められるように、増量中は1.8〜2.2gを目安にしています。
ダイエット・減量中: 2.0〜2.6g
減量中は、増量中よりも多めに摂るのが一般的です。食べる量を減らすと、体は脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギーにしようとし、筋肉をつくる働きも落ちるためです。
5日間食事を減らした研究では、安静時に筋肉をつくる働きが約3割落ちましたが、筋トレをしてタンパク質を摂ると、元の水準以上に戻りました(Areta ら、2014年)。食事を大きく減らしながら運動した4週間の研究でも、タンパク質を体重1kgあたり2.4g摂ったグループのほうが、1.2gのグループより筋肉が増え、体脂肪も多く減りました(Longland ら、2016年)。
タンパク質には満腹感が続きやすく、空腹を我慢しやすいという利点もあります。
ISSNの見解では、減量中のトレーニング者は2.3〜3.1gが必要な場合があるとしています。この数字のもとになった研究(Helms ら、2014年)では、体が絞れた人に必要な量を、体重から脂肪を引いた重さ(除脂肪体重)1kgあたり2.3〜3.1gとしています。体重70kg・体脂肪率15%の人なら、体重1kgあたりに直すと約2.0〜2.6gです。体が絞れているほど、また食事を減らしている幅が大きいほど、範囲の上のほうが必要になります。
自分の除脂肪体重は、除脂肪体重・体脂肪量計算で算出できます。
食品に含まれるタンパク質の量
1日100g以上を食事から摂るには、毎食タンパク質の多い食品を入れる必要があります。主な食品のタンパク質の量は、次のとおりです。
| 食品 | 量 | タンパク質 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | 100g | 約23g |
| 鮭 | 1切れ(80g) | 約18g |
| 卵 | 1個 | 約6g |
| 納豆 | 1パック | 約7g |
| 木綿豆腐 | 150g | 約10g |
| 牛乳 | 200ml | 約7g |
| ヨーグルト | 100g | 約4g |
| ご飯 | 茶碗1杯(150g) | 約4g |
| プロテイン | 1杯 | 約20g |
たとえば朝に卵2個と納豆、昼に鶏むね肉150g、夜に鮭1切れと豆腐を食べると、それだけで約80gになります。3食ともご飯を茶碗1杯ずつ食べれば、約90gです。食品の選び方は、筋トレの食事の基本|筋肉をつけるカロリー・PFC・食べ方と食品の選び方で紹介しています。
タンパク質の摂りすぎは体に悪い?
目的に合った量を超えてタンパク質を増やしても、筋肉はそれ以上増えません。IOCの選手向けの手引き(2003年)も、体重1kgあたり2〜3gを超えて摂っても、トレーニングの効果が高まる根拠はないとしています。そのぶん炭水化物や脂質が減り、トレーニングの燃料やホルモンの材料が足りなくなります。
健康への影響については、日本人の食事摂取基準(2025年版)は、健康な人がタンパク質を多く摂ると腎臓の働きが落ちるという明確な根拠はないとして、摂取量の上限を決めていません。研究で害が見られなかったのは、摂取カロリーの35%未満、体重1kgあたり3〜4g程度までの範囲です。ただし、上限なく摂れば健康によいわけではないとして、一般の人の目標は摂取カロリーの20%までとしています。
この記事の目安の範囲で摂る分には、研究で害が確かめられていない範囲に収まります。ただ、減量中は摂取カロリーが少ないので、同じ量でも割合が高くなります。たとえば体重70kgの人が1日1,900kcalで減量し、タンパク質を体重1kgあたり2.3g(161g)摂ると、摂取カロリーの約34%です。食事をかなり減らしている場合は、範囲の下のほうから始めてください。
腎臓の病気がある人や、持病で食事の制限を受けている人は、タンパク質を増やす前に医師や管理栄養士に相談してください。
よくある質問
タンパク質の摂取量は、男性と女性で違いますか?
体重1kgあたりの目安は、男性も女性も同じです。食事摂取基準の推奨量が男性65g・女性50gと違うのは、平均的な体重が違うためで、体を保つのに必要な体重1kgあたりの量には男女差がないとされています。筋トレをしている女性も、この記事の目安を自分の体重に掛けて計算してください。
高齢者は、どれくらい摂ればいいですか?
食事摂取基準では、高齢の人は推奨量より多めの体重1kgあたり1.2g以上を摂るほうが、筋肉や体の機能の衰えを防げる可能性があるとしています。年齢とともに筋肉は落ちやすくなるので、筋トレとあわせて、タンパク質を毎食摂ることが大切です。
筋トレをしない日も、同じ量でいいですか?
同じ量で構いません。筋肉の回復や合成は、トレーニングをしない日にも続いています。
1回にどれくらい摂ればいいですか?
1回20〜40gを、1日3〜4回に分けて摂るのが目安です(ISSNの見解、2017年)。夕食にまとめて摂るより、朝・昼・夕に分けるほうが、筋肉の合成に充てられやすくなります。
筋トレの後すぐに摂るべきですか?
「30分以内」のような短い時間にこだわる必要はありません。筋トレの前に食事をとっていれば、筋トレの後の食事まで数時間あいても問題ないとされています。筋トレの前後の食事を抜かず、1日の合計の量をそろえることを優先してください。
体重が多い人も、今の体重で計算しますか?
体脂肪が多い人が今の体重で計算すると、量が多くなりすぎます。タンパク質が必要なのは主に筋肉などの部分で、体脂肪の分はほとんど関係しないためです。目標の体重で計算してください。
植物性のタンパク質でもいいですか?
大豆や豆類、穀物などの植物性のタンパク質でも構いません。植物性のタンパク質は、動物性に比べて体内で使われにくい面があるので、植物性が中心なら少し多めに摂り、大豆・豆類・穀物など複数の食品を組み合わせてください。
プロテインは必要ですか?
必須ではありません。プロテインは、牛乳や大豆などからタンパク質を取り出した食品の一つです。食事で目安の量を摂れていれば、飲まなくても構いません。食事だけでは足りない日や、トレーニングの後にすぐ食事をとれないときに、手軽に補えます。
プロテインはどれを選べばいいですか?
迷ったら、牛乳からつくられるホエイプロテインが一般的です。吸収が速く、種類も多く選びやすいためです。牛乳が体に合わない人は大豆からつくられるソイプロテイン、寝る前などゆっくり摂りたいときは同じく牛乳由来でゆっくり吸収されるカゼインプロテインもあります。1日の合計の量が足りていれば、種類による違いは大きくありません。
まとめ
タンパク質の1日の摂取量のポイントは、次の3つです。
- 運動をしていない人は体重1kgあたり約1g、筋トレをしている人は1.6g前後が基本。計算は「体重×目安の数字」
- 維持は1.4〜1.8g、増量中は1.8〜2.2g、ダイエット・減量中は筋肉を残すために2.0〜2.6gと多めにする
- 1回20〜40gを1日3〜4回に分け、目的に合った量を超えて増やさない
タンパク質の量が決まったら、脂質や炭水化物も含めた1日の食事を組み立てます。食事全体の考え方と食品の選び方は、筋トレの食事の基本|筋肉をつけるカロリー・PFC・食べ方と食品の選び方で紹介しています。
参考
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」たんぱく質
- Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20.
- Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52:376-384.
- Maughan RJ, et al. IOC Consensus Statement: Dietary Supplements and the High-Performance Athlete. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2018;28:104-125.
- Phillips SM, van Loon LJC. Dietary protein for athletes: From requirements to optimum adaptation. J Sports Sci. 2011;29(Suppl 1):S29-S38.
- Helms ER, et al. A Systematic Review of Dietary Protein During Caloric Restriction in Resistance Trained Lean Athletes: A Case for Higher Intakes. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2014;24:127-138.
- Areta JL, et al. Reduced resting skeletal muscle protein synthesis is rescued by resistance exercise and protein ingestion following short-term energy deficit. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2014;306:E989-E997.
- Longland TM, et al. Higher compared with lower dietary protein during an energy deficit combined with intense exercise promotes greater lean mass gain and fat mass loss: a randomized trial. Am J Clin Nutr. 2016;103:738-746.
- Aragon AA, Schoenfeld BJ. Nutrient timing revisited: is there a post-exercise anabolic window? J Int Soc Sports Nutr. 2013;10:5.
- International Olympic Committee. Nutrition for Athletes: A practical guide to eating for health and performance. 2003.