筋トレの食事の基本|筋肉をつけるカロリー・PFC・食べ方と食品の選び方
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筋肉をつけるための食事では、食べるタイミングや細かい食品の選び方より先に確認したいことが2つあります。それは、1日に消費するカロリーより少し多く食べること、タンパク質を体重1kgあたり1.8〜2.2g摂ることです。
ただ、「少し多く」とはどのくらいか、タンパク質以外の脂質や炭水化物はどうすればいいのかが分からないと、実際の献立は決められません。ここでは、摂取カロリーとPFCバランスの決め方、食事の回数とタイミング、食品の選び方を順に説明します。
筋肉をつける食事の考え方
筋肉を大きくするには、トレーニングで筋肉に刺激を与えることと、筋肉の材料とエネルギーを食事で十分に入れることの両方が必要です。トレーニングの内容が良くても、食事が足りなければ筋肉はなかなか増えません。
食事で気をつけることには、大事な順番があります。
- 1日の総カロリー: 消費より少し多く食べる
- タンパク質の量: 筋肉の材料を十分に摂る
- 炭水化物と脂質の配分: 脂質を摂取カロリーの20〜30%にし、残りを炭水化物で摂る
- タイミングや食品の細かい選び方: 1日3〜4回に分けて食べ、食品は脂質の少なさや食物繊維など質で選ぶ
上のものほど結果への影響が大きいので、まずは1と2を優先しましょう。
1日の摂取カロリーを決める
消費カロリーより少し多く食べる
筋肉を増やすには、1日に消費するカロリーより少し多く食べる必要があります。目安は、消費カロリーに300kcalほど足した量です。自分の1日の消費カロリーは、TDEE計算で、年齢・身長・体重・ふだんの活動量から算出できます。
300kcalは、ご飯なら茶碗1杯半ほど、おにぎりなら2個ほどです。大きく食べすぎると、筋肉より先に体脂肪が増えてしまうので、上乗せは少しにとどめましょう。
体重の増え方で調整する
計算したカロリーは、あくまで出発点です。実際に食べてみて、体重の増え方で量を調整します。
- 目安は月0.5〜1kgの増加: このくらいのペースなら、増えた分の多くを筋肉にしやすくなります
- 増えないとき: 摂取カロリーを100〜200kcal増やす
- 増え方が速すぎるとき: お腹まわりの脂肪が目立ってきたら、100〜200kcal減らす
体重は、朝起きてトイレを済ませた後など、毎日同じ条件で量り、1週間の平均で比べると、日ごとの増減に惑わされません。キロレコでは、記録した体重や体脂肪率の変化をグラフで確認できます。目的に合わせた1日のPFCの目安も表示します。
PFCバランスの決め方
PFCバランスは、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の3つの栄養素を、どのくらいの量ずつ摂るかの配分です。タンパク質、脂質、炭水化物の順に決めます。
タンパク質は体重1kgあたり1.8〜2.2g
筋肉をつけたい増量中は、タンパク質を体重1kgあたり1日1.8〜2.2g摂るのが目安です。体重70kgなら、1日126〜154gになります。今の体を維持したい場合は1.4〜1.8gが目安です。目的別の目安とその根拠は、タンパク質の1日の摂取量は?筋トレ・ダイエット・男女別の目安と計算で詳しく説明しています。
脂質は摂取カロリーの20〜30%
脂質は、ホルモンの材料になるなど、体の調子を整えるのに欠かせない栄養素です。摂取カロリーの20〜30%を目安にします。減らしすぎると体調を崩しやすく、多すぎるとそのぶん炭水化物を摂れなくなります。どの種類の脂質を選ぶとよいかは、「何を食べるか」の章で解説します。
炭水化物は残りのすべて
タンパク質と脂質を決めたら、残りのカロリーはすべて炭水化物に充てます。炭水化物は、トレーニングの燃料になる栄養素です。極端に減らすと、トレーニングで力が出なくなり、結果として筋肉への刺激も弱くなります。
体重70kgの人のPFCの例
体重70kg、1日の消費カロリーが2,400kcalの人が増量する場合の例です。
| 項目 | 量 | カロリー |
|---|---|---|
| 摂取カロリー | 2,400kcal+300kcal | 2,700kcal |
| タンパク質 | 体重70kg×2.0g=140g | 560kcal |
| 脂質 | 摂取カロリーの25%=約75g | 675kcal |
| 炭水化物 | 残り=約366g | 1,465kcal |
タンパク質と炭水化物は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalで計算しています。自分に合ったPFCの量は、PFCバランス計算で確認することができます。
いつ食べるか|食事の回数とタイミング
タンパク質は1日3〜4回に分ける
タンパク質は、1回にまとめて摂るより、1日3〜4回に分けて摂るほうが効率よく筋肉の合成に充てられます。1回の量は20〜40gが目安です。
タンパク質は夕食に偏り、朝食や昼食で足りなくなりがちです。朝食に卵や納豆、乳製品、プロテインなどを足すだけでも、1日の量をそろえやすくなります。
トレーニングの前後に食事を抜かない
空腹のままトレーニングをすると力が出にくく、トレーニング後に長く何も食べないと、回復の材料が足りなくなります。トレーニングの1〜2時間前にはおにぎりなどの炭水化物を、トレーニングの後には、タンパク質と炭水化物を含む食事をとってください。
寝る前は軽くタンパク質を
寝ている間は何も食べない時間が長く続きます。夕食から寝るまでに時間が空く場合は、寝る前に牛乳やヨーグルト、プロテインなどで、軽くタンパク質を摂っておくのも一つの方法です。量が多いと寝つきが悪くなることがあるので、少量にとどめましょう。
とはいえ、「トレーニング後30分以内」「寝る前」のような細かいタイミングにこだわるより、1日の合計の量をそろえるほうが大切です。
何を食べるか|筋肉をつける食品の選び方
決めたカロリーとPFCの量に収まっていれば、食べてはいけない食品はありません。ただ、同じカロリーでも、食品によってタンパク質・脂質・炭水化物の割合や、脂質・炭水化物の質は大きく違います。次の基準で選ぶと、目安の量に収めやすくなります。
タンパク質:高タンパク・低脂質のものを選ぶ
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品のどれを選ぶときも、タンパク質が多く脂質が少ないものを選ぶのが基本です。特に肉は、同じ種類でも部位によって脂質の量が大きく違います。
- 選びたいもの: 鶏むね肉(皮なし)・ささみ、豚ヒレ・もも、牛もも・ヒレ、魚、卵、納豆、豆腐、牛乳、ヨーグルト、プロテイン
- 控えたいもの: バラ肉、鶏の皮、霜降り肉、ベーコン・ソーセージ
魚は脂が多くても、体に必要な脂質(後述)を含んでいることが多いため、選んで構いません。
炭水化物:食物繊維のバランスを考える
白米や白いパンのように精製された炭水化物は消化が速く、血糖値が上がりやすい(GI値が高い)食品です。食物繊維の多いものを混ぜると、満腹感が続き、血糖値の上がり方もゆるやかになります。
- 通常の食事で選びたいもの: 玄米、雑穀米、オートミール、全粒粉パン、芋、果物
- トレーニングの前後に向くもの: 白米、白いパン、餅、バナナ(消化が速く、すぐにエネルギーになる)
食べる量を増やすのがつらい人は、食物繊維が多いとお腹が膨れて量を食べにくくなります。その場合は、白米など消化のよいものを中心にして構いません。増量中は、1日の総カロリーを摂ることを優先します。
脂質:種類で選ぶ
脂質は種類によって体への働きが違います。量を目安に収めたうえで、種類も選びます。
- 意識して摂りたいもの: オメガ3系の脂質(サバ・イワシ・サケなどの青魚、えごま油、アマニ油)。ふだんの食事では不足しやすい
- 使うならこちら: オメガ9系の脂質(オリーブオイル、なたね油)。肉の脂身やバターの代わりに
- 控えたいもの: 飽和脂肪酸(肉の脂身、バター、ラード、生クリーム)、トランス脂肪酸(一部のマーガリン・ショートニング、揚げ菓子)
飽和脂肪酸は、総カロリーの7%以下が目安です。オメガ6系の脂質(大豆油、コーン油、ごま油)も体に欠かせませんが、ふだんの食事で足りていることが多いので、意識して増やす必要はありません。
量を控えたい食品
菓子パン、洋菓子、スナック菓子、ジュースや甘い清涼飲料、お酒は、量の割にカロリーが多く、タンパク質が少ない食品です。脂質や糖が多いため、目安の量を超えやすくなります。食べてはいけないわけではないので、量を調整しましょう。食べる量を増やせず体重が増えない人には、カロリーを足す手段にもなります。
外食・コンビニで選ぶなら
自炊できない日も、ポイントを押さえて選び方を決めておけば便利です。
- 定食を選ぶ: 丼ものや麺類だけより、主菜・ご飯・副菜がそろう定食のほうが、タンパク質と炭水化物の量を両方確保しやすくなります。ご飯の量で全体のカロリーを調整しましょう。
- 主菜は肉か魚を: 焼き魚、生姜焼き、鶏の照り焼きなど。揚げ物は脂質が多くなるので、そればかりにならないように注意してください。
- コンビニで足す: サラダチキン、ゆで卵、納豆、ヨーグルト、牛乳は、タンパク質を手軽に足せる定番です。おにぎりやパンだけの食事に、1〜2品足すだけでも違います。
よくある質問
筋肉をつけたい場合、プロテインは必要ですか?
必須ではありません。プロテインは、牛乳や大豆などからタンパク質を取り出した食品の一つです。食事で目安の量を摂れていれば、飲まなくても構いません。忙しくて食事で足りない日や、トレーニング後にすぐ食事をとれないときに、手軽に補えるのが利点です。
体脂肪はあまり増やさずに筋肉をつける方法はありますか?
消費カロリーへの上乗せを100〜200kcalと少なめにし、体重をゆっくり増やすのがおすすめです。筋肉の増え方も遅くなりますが、体脂肪が増えにくくなります。体重だけでなく、体脂肪率やお腹まわりの変化もあわせて見てください。
毎日同じものを食べてもいいですか?
量がそろっていれば、同じものが続いても構いません。毎日同じ献立にすると、量を把握しやすく、体重の増え方で調整しやすいという利点もあります。ただ、ビタミンやミネラルが偏らないように、野菜や果物、タンパク質の食品は、ときどき種類を入れ替えてください。
お酒は飲んでもいいですか?
少量なら構いません。ただ、量が多いと回復や睡眠の質を下げ、カロリーも多くなります。飲むなら量を控えめにして、トレーニングをした日は避けましょう。
食べているのに体重が増えないのはなぜ?
実際に食べている量が、思っているより少ないことがよくあります。数日分の食事を記録して、摂取カロリーを確かめてください。食事の量を増やすのがつらい場合は、間食を1回増やす、牛乳を飲むなど、無理なく足せるところから始めましょう。
まとめ
筋肉をつけるための食事のポイントは、次の3つです。
- 筋肉をつけるには、消費カロリーより300kcalほど多く食べ、体重が月0.5〜1kg増えるペースで調整する
- タンパク質は体重1kgあたり1.8〜2.2gを、1日3〜4回に分けて摂る。脂質は摂取カロリーの20〜30%、残りを炭水化物に
- 食品は高タンパク・低脂質のものを中心に、炭水化物は食物繊維、脂質は種類も意識して選ぶ
完璧な食事を目指すより、まずは総カロリーとタンパク質の量を毎日そろえることから始めてください。自分の目的に合ったタンパク質の量は、タンパク質の1日の摂取量は?筋トレ・ダイエット・男女別の目安と計算で詳しく説明しています。
参考
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20.
- Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52:376-384.