筋トレの停滞期はどう抜ける?重量が伸びない原因と見直し方
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「最近、重量がまったく伸びない。これって停滞期?」筋トレを続けていると、多くの人がこう感じる時期を迎えます。ただ、重量が止まって見えても、実は回数や総負荷量が伸びていることもあれば、寝不足や減量中で一時的に伸びにくいだけのこともあります。
停滞期は、本当に止まっているかを記録で確かめ、当てはまる原因を一つずつ見直していけば、抜け出す道筋が見えてきます。本記事では、停滞期の基本や見抜き方、抜け出す方法を解説していきます。
筋トレの停滞期とは
停滞期(伸び悩み)とは、トレーニングを続けているのに、重量・回数・総負荷量(重量×回数×セット数)が何週間も伸びない時期のことです。1回のトレーニングで数字が落ちただけなら、停滞期とはいいません。
停滞期はいつ来る?
筋トレを始めて数か月は、毎回のように重量や回数が伸びます。続けるほど伸び方はゆるやかになり、やがて数字が止まる時期が来ます。いつ来るかは人によって違いますが、続けていれば誰にでも起きることで、トレーニングが間違っているとは限りません。大切なのは、止まったときに何を見直せばいいかを知っておくことです。
今の伸び悩みは停滞期?見分け方について
数字が伸びない時期が、すべて停滞期というわけではありません。まず記録で本当に止まっているかを確かめ、一時的な不調や減量中による伸び悩みでないかを見分けます。体の限界が近いかどうかも、FFMIでおおよその目安をつけられます。
記録を3〜4回分並べて確かめる
重量が同じでも、回数が1回でも増えていれば伸びています。重量も回数も同じでも、前回より楽にできていれば、それも伸びです。同じ種目の記録を3〜4回分並べて、重量・回数・総負荷量・きつさのどれも横ばいかどうかを見てください。
| 回 | ベンチプレスの記録 | 総負荷量 |
|---|---|---|
| 1回目 | 60kg 10・9・8 | 1,620kg |
| 2回目 | 60kg 10・9・8 | 1,620kg |
| 3回目 | 60kg 10・10・8 | 1,680kg |
| 4回目 | 60kg 10・10・9 | 1,740kg |
この例では重量は60kgのまま変わっていませんが、回数と総負荷量は少しずつ増えています。止まっているのではなく、伸びている途中です。キロレコでは、同じメニューの過去の記録を回ごとに並べて確認できます。総負荷量も自動で計算されるので、本当に停滞しているかをすぐに確かめられます。
停滞期とは言えない伸び悩み
数字が伸びていなくても、次のような場合は停滞期とは言えません。
- 1回だけ落ちた: 睡眠不足の日や仕事で疲れた日は、いつもの重量で回数が落ちることがあります。次の回で戻れば問題ありません。
- 減量中: 摂取カロリーが少ないので、重量や回数が伸びにくいのが普通です。減量中の目標は筋肉を落とさずに体脂肪を減らすことなので、重量を保てていれば十分です。体が軽くなるぶん懸垂のような自重の種目は伸びることもありますが、ベンチプレスなどは多少落ちることもあります。
- 筋トレを始めて数か月で止まった: 体が限界に来たというより、トレーニングのやり方や食事、睡眠に原因があることが多い時期です。次の章の原因を確かめてください。
これらに当てはまらず、何週間も数字が横ばいなら、停滞期と考えて原因を見直していきましょう。
体の限界が近いか、FFMIで目安をつける
数字が止まると、「もう体の限界なのでは」と感じるかもしれません。筋肉の量が体格に対して限界に近いかどうかは、FFMI(除脂肪量指数)でおおよその目安をつけられます。FFMIは、体重から体脂肪を除いた重さを身長で割った値で、身長・体重・体脂肪率を入れればFFMI計算で求められます。
- 20前後(女性は17前後): 筋肉を増やす余地はまだ大きく残っています。数字が止まっているのは体の限界ではなく、トレーニングのやり方や食事、睡眠に原因がある可能性が高いでしょう。
- 24〜25(女性は21〜22): 薬を使わずに鍛えた人の上限に近い値です。筋肉を増やす余地は小さく、伸びがゆるやかになるのは自然なことです。
その間の値は、25(女性の場合は22)に近いほど余地が小さいと考えてください。FFMIは筋肉の量の目安で、筋力そのものではありません。重量はフォームや動きの慣れでも伸びるので、FFMIが高くても、次の章の原因を見直せば伸びることはあります。
重量が伸びない原因と見直し方
停滞期の主な原因は、トレーニングのやり方に関わる4つと、体の状態に関わる2つです。見直すときは一度に1つずつ変えて、2〜4週間ほど様子を見てください。いくつも同時に変えると、何が効いたのかが分からなくなります。
余裕を残しすぎている
前回と同じ重量・回数をこなせていても、毎セットまだ余裕があるところ(3回以上できそうなところ)で止めていると、同じ数字をなぞるだけになりやすくなります。余裕が大きいということは、まだ重い重量を扱えるということです。筋力を伸ばすには扱う重さそのものが効くので、重量を上げる時期を逃していることになります。
ただ、あと何回できそうかを感覚で当てるのは難しいため、一度だけ、限界まで続けて本当はあと何回できたのかを確かめてみるのもおすすめです。
余裕が大きかったなら、次からは限界の少し手前(あと1〜2回の余裕があるところ)まで続けるか、重量を一段階上げてみてください。
重量の上げ幅が大きすぎる
重量を上げたとたんに回数が大きく落ちて、何回やっても戻らない場合は、上げ幅が大きすぎる可能性があります。重い重量を挙げようとして、しゃがむ深さが浅くなる、反動を使う、といったフォームの崩れが出ているときも同じです。スマホで横から動画を撮り、軽い重量のときと見比べると気づきやすくなります。
その場合は、いったん元の重量に戻し、回数を伸ばしてから上げ直します。上げ幅は、バーベルの種目なら2.5kgが目安です。ジムに0.5kgなどの小さいプレートがあれば、それを使うのも手です。ダンベルは1段階上げるだけで重さの割合が大きく変わるので、元の重量で回数をもう少し伸ばしてから上げてください。記録をもとに次の重量を決める方法は、筋トレの記録は何を書く?メリット・つけ方・続けるコツを解説で紹介しています。
止まった種目を同じやり方で続けている
余裕を残さず、上げ幅も合っているのに何週間も止まっている種目は、同じ回数の範囲・同じセット数のままでは体への刺激が足りなくなっていることがあります。メニュー全体はそのままにして、止まった種目だけに次のような変化を1つ加えます。
- 回数の範囲を変える: 8〜12回で止まっているなら、6〜8回のやや重い重量や、12〜15回の軽めの重量でしばらくやってみてください。重量の目安は1RM推定で確認できます。
- セット数を足す: その部位のセット数が少ないなら、1〜2セット足してみましょう。疲れが抜けない場合は、次の「回復が足りない」を先に確かめます。
- 似た動きの別の種目に替える: ベンチプレスならダンベルプレスやインクラインベンチプレスに変えてみてください。ほかの種目はそのまま続けます。
メニューを変えすぎている
伸びないからと毎回のように種目や回数を変えていると、前回と比べられず、負荷を少しずつ上げることもできません。メニューは少なくとも8〜12週間(2〜3か月)続けて、その中で重量と回数を上げていくのが基本です。また、変える種目は成長が感じられない種目だけにしてください。メニューの組み方は、筋トレメニューはどう組む?頻度・種目・順番・回数の決め方で説明しています。
回復が足りない
筋肉は、トレーニング中ではなく、休んでいる間に回復して強くなります。睡眠が短い日が続いている、同じ部位を間を空けずに鍛えている、毎セット限界まで追い込んでいる、仕事や生活が忙しく疲れが抜けない、といった状態では、回復が追いつかず数字が伸びにくくなります。回復が足りているかは、次のような点で確かめられます。
- いつもの重量が、ウォームアップの段階から重く感じる
- 複数の種目で、同時に回数が落ちている
- 朝起きたときに疲れが残っている、寝つきが悪い
- 筋肉痛が、次に同じ部位を鍛える日まで抜けない
いくつも当てはまるなら、メニューを変えるより先に休養を増やしてください。睡眠時間を確保し、同じ部位の間を空けます。疲れが溜まっていそうなら、重量とセット数を普段の6〜7割に落とした週を1週間はさむ方法(ディロード)もあります。種目と回数はいつもどおりで構いません。疲れが抜けて、翌週からまた数字が伸び始めることがよくあります。
食事が足りない
筋肉の修復には、エネルギーとタンパク質が必要です。食べる量が少ないと、トレーニングの内容が良くても回復が追いつきません。筋肉をつけたい時期なのに体重が増えていない、または減っているなら、食べる量を見直してみてください。タンパク質の量は、タンパク質の1日の摂取量は?筋トレ・ダイエット・男女別の目安と計算を参考にしてください。
よくある質問
停滞期はどのくらい続きますか?
原因によって違います。疲れが原因なら、ディロードの1週間で抜けることもあります。トレーニングのやり方や食事が原因なら、見直してから2〜4週間ほどで、また数字が動き始めるのが一般的です。
停滞期に休むと、筋肉が落ちますか?
1〜2週間休んでも、筋肉はほとんど落ちません。むしろ疲れが抜けて、再開後に記録が戻ったり伸びたりすることもよくあります。旅行や体調不良で休んだあとも、少し軽めの重量から再開すれば大丈夫です。
初心者でも停滞期はありますか?
筋トレを始めて数か月の間に数字が止まった場合は、停滞期というより、トレーニングのやり方や食事、睡眠に原因があることが多くなります。余裕を残しすぎていないか、上げ幅が大きすぎないか、しっかり食べて眠れているかを確かめてください。
特定の種目や部位だけ伸びないときは?
その種目の上げ幅とフォームをまず確かめます。腕や肩のように小さい筋肉の種目は、ダンベル1段階の重さでも上げ幅が大きくなりやすいので、重量を上げる前に回数を伸ばしてください。ベンチプレスなら、同じ日に肩や腕の種目を先にやって疲れさせていないかも見直します。
女性も同じ考え方でいいですか?
同じ考え方で構いません。停滞期かどうかの見分け方も、原因と見直し方も、男女で変わりません。重量の上げ幅が大きく感じる種目は、重量を上げる前に回数を伸ばしてください。
サプリメントで解決しますか?
サプリメントは、トレーニングのやり方・睡眠・食事を整える代わりにはなりません。まずはこの記事で紹介した原因を見直してください。
毎回、限界まで追い込むべきですか?
毎セット限界まで追い込む必要はありません。あと1〜2回できそうなところで止めても、筋肉や筋力は十分に伸びます。毎回限界まで追い込むと疲れが溜まりやすく、かえって次の回で回数が落ちる原因にもなります。限界まで追い込むなら、各種目の最後のセットだけにするなど、回数を絞ってください。
まとめ
停滞期を抜け出すためのポイントは、次の3つです。
- 重量が止まっても、回数・総負荷量・きつさのどれかが伸びていれば停滞ではない。記録を3〜4回分並べ、1回だけの不調や減量中でないかも確かめる
- 主な原因は、余裕の残しすぎ・上げ幅の大きすぎ・止まった種目のやり方・メニューの変えすぎ・回復・食事。当てはまるものを1つずつ見直し、2〜4週間様子を見る
- メニューは少なくとも8〜12週間続け、止まった種目だけに小さな変化を加える
停滞期は、続けていれば誰にでも来ます。焦ってメニューを丸ごと変えるのではなく、記録を見返して原因を一つずつ確かめることが、停滞期脱出の近道になります。
参考
- Robinson ZP, et al. Exploring the Dose–Response Relationship Between Estimated Resistance Training Proximity to Failure, Strength Gain, and Muscle Hypertrophy: A Series of Meta-Regressions. Sports Med. 2024;54(9):2209-2231.
- Halperin I, et al. Accuracy in Predicting Repetitions to Task Failure in Resistance Exercise: A Scoping Review and Exploratory Meta-analysis. Sports Med. 2022;52(2):377-390.
- Kouri EM, et al. Fat-free mass index in users and nonusers of anabolic-androgenic steroids. Clin J Sport Med. 1995;5(4):223-228.